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【クトゥルフ神話TRPGシナリオ】狂惑の輪廻【シナリオ序盤】

プレイヤーの情報

玄関先での行動

チャイムを連打したり、扉を叩いたり、なんらかの騒ぎを起こすと、しばらくして警察が駆けつける。この場合、錯乱した人物として警察に連行されることになる。この場合自宅玄関で騒ぎを起こしたものとして処理し、以降自宅に接近する際にペナルティが生じる。

 

技能行使:〈信用〉〈言いくるめ〉 対象:警察官

入れ替わった謎の人物に扉を開けさせることができる。相手はすでに運送業者のユニフォームから着替えており、迷惑な精神錯乱者が玄関を叩いていたと主張する。電話の履歴やユニフォームなどの物的証拠をもとに自分が本物だと主張したとしても、電話の履歴は逆に「わたしがかけたら君が現れたんだ」と応じられ、ユニフォームはすでに処分されており、何の証拠もない。

  

 

 

自宅に忍び込む

翌日以降、自宅に忍び込もうとしたときには、初日の対応によってイベントが変化する。つまり、初日に騒ぎを起こしていた場合、マンションの入り口で管理人なりパトロール中の警察官に声をかけられ、合言葉を求められる。もちろん探索者はそんなものを知らないため、このイベントに遭遇するとダッシュで逃げる以外の選択肢がない(敏捷抵抗を挟むか挟まないかはキーパーの自由)。

 

技能行使:〈登攀〉 対象:自宅マンションの壁

壁をよじ登ってベランダから自宅に侵入することができる。この場合管理人や警察に見つかることはない。ただし、ベランダの窓の鍵に対して〈鍵開け〉か〈機械修理〉の判定が必要になる。〈機械修理〉で判定した場合には、ガラス片が残り侵入痕が明白に残ることになる。

 

 

もしも当日に騒ぎを起こさなければ、管理人や警察はこの入れ換わり事件を把握していないため容易に自宅に忍び込むことができる。とはいえ、鍵を持っていないために侵入にはなんらかの工夫が必要だ。

 

技能行使:〈言いくるめ〉〈信用〉 対象:マンションの管理人

鍵を開けてもらうよう誘導することができる。昼間に鍵を忘れたと言われて鍵を開けたという記憶が管理人に残されてしまう。

 

 

技能行使:〈鍵開け〉〈機械修理〉 対象:自宅玄関

自宅玄関の解錠を行う。鍵開けの場合には音を立てないが、機械修理なら音が立ってしまう。その場でのペナルティはないが、昼の間に侵入者があったかもしれないという証言が周辺住民に形成される。

 

 

自宅の中の様子は基本的に変わりないが、よく探索すれば記憶と違っている点を発見することができる。次の情報は技能なしで提供すること。

 

重要情報(技能なしで提供)

本棚に見覚えのない厚手のノートを発見する。内容は、人体を複製する魔術についての研究。魔術を実行した結果、まったく自分と同一の姿と記憶を持った存在が生み出されたが、魔術についての知識だけが欠落し、自分以上に常識的な自分として振る舞い始め、家も乗っ取られてしまったという経緯が書かれている。

 

 

技能行使:〈アイディア〉〈目星〉 対象:部屋

すでに重要な品の置き場所は入れ替えられてしまっている。相手が持ち去ったと思われる物品は次の通り。

  • 印鑑・身分証類・預金通帳関係
  • 携帯電話・手帳・ノートPC・タブレットなどの事務用品

そんななか、ウェブ上のアカウントだけはパスワードが破られていない可能性に気づく。オンラインの端末があれば、TwitterやFacebook、オンラインメールアカウントなどを介して知人と連絡を取ることが可能かもしれない。

 

 

携帯電話の解約と自己証明の喪失

もしも玄関に出たときの所持品として携帯電話や財布を宣言していた場合、それを所持した状態で追い出されることになる。それゆえ、初日の情報収集や助けを求める通信は比較的容易になるが、2日目にその電話が遺失物として解約されたことを知る。つまり、一切電波を受信しなくなるのである。

さらにあらゆる証明書が書き換えられ、免許証などが紛失扱いを受けて次々に失効していく。その先々でそっくりに整形した人間に身分を悪用されているという情報が伝達されるため、次々に同名での再契約が困難になっていく。社会から次々に疎外されるのである(補足:資格剥奪の経過 を参照)。

 

蛇の道は蛇:ホームレス男性の証言

探索者が屋外で狼狽していると、ホームレスの男性が声をかけてきて、次のように言う。

 

重要情報(技能なしで提供)

「あんたそっくりなやつをさっき見たぜ。あんた、あれだろ? 生活を自分そっくりなやつに乗っ取られた口だろ? ああ、俺は信じるよ、俺もまったく同じだからな。結局、今は俺が誰なのかもわからねぇ。あっちの俺は、今じゃ結婚もして子供もいるみたいだがな、俺はこのざまだ。一体何がどうなっているんだか・・・。え? 人間を複製する魔術? バカを言っちゃいけない。“やつら”はそうやって人間を騙してるに違いないさ。あの化けの皮さえ剥がせたらな・・・ちぇっ。まあいい、もう俺には無理だ。あんたも困ったら悪くしねぇよ、あそこの公園に住んでるからな、食いつなぐくらいはできる。じゃあな」

 

この情報の意義は、この現象が自分だけに訪れた事件ではないこと、そして相手が述べていることが事実とは限らないこと、そして解決せずに生きて行く未来もあるのだという選択肢を提示することの三つである。

 

 

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