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【クトゥルフ神話TRPGシナリオ】チュートリアル・トンネル【探索と結末】

プレイヤーの情報

【メッセージ】

では、自動車を停車して、探索をはじめましょう。

 

【行動可能な対象(共有メモとして公開)】

バックミラーなどで後方を確認

携帯電話で調査や通話を試みる

トンネル備え付けの非常電話

押しボタン式通報装置と消化器

避難用トンネル通路

 

以下それぞれの処理

 

 

バックミラーなどで後方を確認

直接見るにせよ、ミラー越しに見るにせよ、〈目星〉ロールを行います。

〈目星〉に成功
カーブしたトンネルの先から、トンネルを飲み込むほどの大きな影がカーブする壁面にうごめくのを目にします。

〈目星〉に失敗
じっと目を凝らして、集中して背後の様子をたしかめます。すると、カーブしたトンネルの先から、何かおぞましい気配が忍び寄ってくるのを感じます。

 

【条件の伝達】

つまり、このシナリオには時間制限があります。あまりにも長い時間を必要とする行動を避けつつ、トンネルから逃れなければなりません。

現在の行動可能な対象は次の5箇所です。技能に成功すれば短い時間で成功したとみなし、技能に失敗すれば長い時間がかかったものとして扱います。

先ほどの判定によって、おぞましい気配が少し近づいてきました。

 

これはキーパリングの小技だ。結果として得られる情報はほぼ同じだが、目星に成功した場合、プレイヤーは目星に成功したから気づくことができたと感じる。一方目星に失敗した場合、失敗したせいで正体がわからなかったと感じる。どうしてもプレイヤーに伝える必要がある情報だと感じたときには、この方法を使うことで情報を提供することができる。

また、制限時間の運用もキーパリングの小技である。それらしい恐ろしい図像の何かを盤上の地図に少しずつ近づけてみたりして、恐ろしい生物の接近をプレイヤーたちに伝えよう。

 

携帯電話で調査や通話などを試みる

技能を振る必要はありません。

携帯電話に電波が届いておらず、カーラジオも応答しません。

通常では考えられない事態です。

 

【車から降りた探索者のイベント】

他の探索点は車外にあります。それらを調べるために車を降りた探索者には2つの処理を行う。

(1)持ち物の確認

まず、持ち物を確認する。携帯電話を照明として使うことが可能なため、どういった道具を持っているのかは極めて重要だ。

 ※持ち物の確認
忘れがちだが、キーパリングの基本に属する。慣れてきたら持ち物をキャラクターシートに書き込むなどして、簡略化を図るとよい。

 

(2)聞き耳判定

続いて、〈聞き耳〉を要求しましょう(行動回数の消費はありません)。

〈聞き耳〉に成功
腐った水のような、不快な臭いがあたりに立ちこめていることに気がつきます。
その腐敗臭はどこか朽ちた生物の死体を思い起こさせます。

〈聞き耳〉に失敗
臭いトンネルだと感じます。

 

【聞き耳の二重の意味】

聞き耳は音を聞くだけの技能ではありません。

臭いの性質を嗅ぎ分ける感覚の鋭さも含まれています。

このように技能の用法はルールブックによってやや柔軟に定義されています。

ひょっとしたら使えるかもしれないと思ったら、積極的に技能の利用を提案しましょう。

  

トンネル備え付けの非常電話

非常電話の受話器を取って耳元に当てると、喉をすりつぶした人の声らしきものが聞こえる。

 

「ニオグさまの いけニえ ハしル カンおケで ざシテ マテ」

 

この恐ろしい声を聞いたものは、SANチェックを行う(0/1)。

 

【トラップポイント】

探索ではいつも良い結果が得られるとは限りません。

調べてもろくな情報が得られず、正気度の減少や耐久力の減少を受けてしまう場合もあります。

しかし、丁寧に考えれば、そうした情報も重要です。

今回の場合、怪しげな声が「車で座って待て、生贄よ」と話したので、

探索者たちは車から離れて積極的に行動するべきだと考えることができます。

情報の意味は自分で考え出していかなければならないのです。

  

押しボタン式通報装置と消化器

押しボタンを押しても何も反応がありません。

消化器とともにハンドアックスが置かれています。

鎖などを断ち切るのに使えるかもしれません。

  

【アイテムの獲得】

探索の途中で道具を獲得することがあります。

道具を利用する際にはキーパーに使用を宣言するだけで構いません。

早速ハンドアックスを使えそうな場所を探してみましょう。

※ハンドアックス技能の初期値は20%です。

 

避難用通路

避難用通路の中は暗くてよく見えません。

携帯電話や非常用の懐中電灯などで照らす必要があります。

 

照明で照らすと、その先に鎖が結ばれ南京錠がかけられた鉄の扉が見えます。

(PL1のノルマ技能:鍵開け の宣言ポイント)

〈鍵開け〉技能に成功→即座に解錠

〈鍵開け〉技能に失敗→時間経過+解錠失敗

 

技能に失敗しても、ハンドアックスによって解錠を試みることができる。

ハンドアックスによる解錠では、成功率20%で短い時間を消費しつつ、何度もダイスロールが可能。

 

【失敗をカバーする】

一度の技能利用に失敗しても、手元の道具や技能を使って別の手段を考えましょう。

たとえば〈鍵開け〉の代わりに〈機械修理〉を利用したり、銃や斧、体当たりで破壊を試みたりするのはルール上も認められています。

 

 

扉の先

扉の先に移動すれば、また少しの時間を消費する。

そこには小さな人影があり、怯えて身を丸めています。

ゴム革が腐ったような皮膚に不潔な体毛が無造作に生えており、汚らしい印象を受けるでしょう。この常識では考えられない生物を前にして、探索者のみなさんはSANチェックです(0/1D6)。

 

化け物「ヒェッ… ニオグさま…」

  

もしも電話の声を聞いた探索者が同行していれば、その声に聞き覚えがある。

相手に交戦の意思はないようだが、丸まって怯えている。

(PL2のノルマ技能:言いくるめ の宣言ポイント)

 

〈言いくるめ〉などの交渉技能やハンドアックスによる脅迫で次の情報を聞き出すことができる。

 

【解決手段】

「ヒだりの ミチは マやかシ。 ミギの カべが ほンモの」

探索者たちはハンドルを右にきって車を運転すればよいことがわかる。

 

 

結末

この情報を手に入れれば、右の通路から脱出するルートが解放される(これ以前に同じ行動を取っていても壁に衝突する)。

通路の先から車の下に戻ると、背後から迫っていた黒い大きな影がついにその姿を表す。

吐き気を催すような匂いがあたりに充満し、油が浮いたように玉虫色に反射する黒いゼラチン質の塊がトンネルいっぱいに這いずり進んでくる。

この姿を見た探索者はSANチェックを行う(1D6 / 1D20)。

 

【発狂の処理】

このSANチェックで5点以上のSAN消失が発生すれば、次の説明を挟む。

5点以上のSANを一度に失うと、次の処理をします。

〈アイディア〉による判定→成功したら発狂/失敗したら正常なまま

発狂した場合、狂気表というものを振りますが、今回は「パニック状態で逃げ出す」を自動採用します。

 

発狂したとしても絶叫しながら車に飛び乗って、勢い良く車を発進させることができる。

これで右ハンドルを切って壁に向かえば、シナリオクリアだ。

 

もしもプレイヤーが3人いた場合、車が今にもゼラチン質の化け物によって飲み込まれそうになっているという演出を加えましょう。

(PL3のノルマ技能:運転(自動車) の宣言ポイント)

車を急発進させて壁を抜けたところで、車のハンドルを失わないかどうかを判定し、何れにしても化け物からの逃走には成功する。技能に失敗したら、抜け出したところでハンドルを失い、車が一回転したことにする。全員耐久力に1D3点のダメージを受けて、シナリオクリアとなる。

 

 

報酬

このシナリオをクリアすれば、1D6点のSAN値回復が与えられる。

 

 

セッション後の処理

このシナリオで利用した技能の成長を行いましょう(ルールブック59ページ)。

耐久力を回復して技能の成長処理が終了すれば、無事にセッション終了である。

 

 

初めてのキーパリングお疲れ様でした。

 

 

シナリオリンク

オープニング

探索と結末