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【クトゥルフ神話TRPGシナリオ】ナンとカレーなダンスを!【シナリオ前半】

オープニング

探索者たちはインド人であるか、少なくともインドの魂を理解した人間であることが望ましい。突然踊り出すことになっても難なく対応できるし、周囲に湧き出したバックダンサーにも驚かない精神力が必要になる。

探索者たちはそれぞれの理由でこの村を訪れることになる。この村に里帰りに来る者もいれば、都会の喧騒を離れて一人旅をしている者もいるかもしれない。この地に伝わる信仰について調査しに来たのかもしれないし、工場建設のための現地視察に遣わされたのかもしれない。理由はなんであれ、しばらくこの地に滞在することになる。

さて、探索者たちが宿泊するのは、現地人の経営する民宿「アショーカ」だ。その宿に着いたところで、探索者たちは一人の気前のいい男と出会う。アジェイと名乗るその男は、探索者たちを誘って刺激的なインドナイト、つまりダンスを踊ることになるだろう。無事にダンスに成功すれば、探索者たちはこのアジェイとすっかり打ち解けるはずだ。

その翌日、街を歩く牛とインド象をかき分けながらぶらついていると、アジェイが美しい女性と密会しているのを目撃することになる。ここで聞き耳に成功すれば、探索者たちは次の内容を聞くことになるだろう。

「ええ、愛しているわ・・・それは、嬉しいの・・・でも」

「大丈夫、君の父さんならきっと説得してみせるよ」

ここまでイベントが終われば、シナリオは自由探索に移行する。

 

 

 

アジェイとアニラの恋

その日宿に帰ればアジェイに話を聞くことができる。アジェイは彼女の名がアニラということ、この地で出会って彼女に魅了されたこと、しかし彼女の父が彼女も知らない「ナグ」という奇妙な名前の相手を婚約者と主張してやまないというのだ。

ここで悲恋を感じ取った探索者が信頼に成功するか、その爆発する共感をダンスで表現することに成功すれば、アジェイはこの問題について探索者たちに協力を求めるだろう。

 

奇妙な信仰

宿に帰る前に現地を観光することもできる。現地に伝わる神殿には、名前の伝わっていない奇妙な姿をした神様の像が祀られている。

鉤爪のついた複数の腕が、目や口が不自然に溶け合ったような不均質な構造の体から7〜8本伸びた像で、詳細はわからないが一対互いに背を向けて安置されている。この像を直視すると、探索者たちは眩暈にも似た感覚に襲われる(SANチェック0/1D3)。

オカルトに成功すれば、これに似た像が置かれている地域で、かつて乱交の儀式が行われていたことを知っているかもしれない。人類学に成功すれば、この像に対する信仰がこの地域独自のものであるほか、現在ではほかの信仰が主流派になっているために地域に根付いていないことがわかるだろう。

また、勘のいい探索者や目星に成功する探索者がいれば、この神殿に隠し扉が存在することに気付けるかもしれない。もっとも、その開き方はさっぱりわからないのだが。

 

儀式の噂

もしもこの信仰について深入りしたがる探索者がいれば、町の老人の噂や過去の文献として、この村に生贄の儀式が存在することを伝えるとよい。その儀式は男女一組を生贄に捧げるものなのだが、不思議なことに女性の方は廃人になって帰ってくるのだという。そのご数ヶ月のうちに女性は再び神殿に消えるのだが、その後一切姿を見せなくなるのだそうだ。その間に女性の家を覗き見たことのある老人の話によれば、その女性の腹は大きくなっていたらしい。

このような儀式はずいぶん昔に行われたと言い伝えられているが、実際に行われているのを目にしたものはいないだろう。

 

 

ある程度情報が整ったら、アニラと探索者を出会わせる次のイベントに移行する。

 

 

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